メーカーの圧倒的な主要供給源・でもあなたにとって必要?
薬局の花形商品の一つとして、有名な “ビタミンC”。
でもあなたにとって、ほんとうに必要なサプリですか?
フランスでは、栄養補助食品部門の業績は、
これまでにないほど好調です。
最も売れているのは「UPSA」。
工場はフランス南西部のアジャンにありますが、
ここでは、毎年 800 万箱のビタミン C が
製造されています。
ビタミンCの原材料は、”アスコルビン酸“。
この工場のアスコルビン酸は、中国と
スコットランドから来ています。
中国は現在、欧州市場への圧倒的な主要
供給源となっています。
中国の製造業者は、2 トンのアスコルビン
酸を、1 キロあたり 2.40 ユーロで提供しています。
製薬業界の購入者は、輸送費と通関費を入れ
て、1 キロあたり 5 ユーロで購入。
そしてその後、このビタミンCを 1 キロ当たり、
約 250 ユーロ、50 倍の価格で消費者に販売しています。
風邪には効果無し
冬になると、テレビでも「風邪をひかない
ために」とビタミンCの宣伝が多くなります。
ビタミンCを飲んでいれば、ほんとうに
風邪の予防になるのでしょうか?
さまざまな研究がおこなわれていますが、
答えは、ノーです。
2018 年のチリの研究では
「ビタミンCの摂取は風邪の発症率に影響を
及ぼさない」と書かれています。
2013 年、フランスで行われた研究では、
「ビタミンCサプリメントの日常的な使用は
正当化されない」と結論付けています。
確かにビタミンCは、私達のからだには
不可欠です。
ビタミンCが欠乏すると、壊血病を
引き起こす可能性があります。
【壊血病】
ビタミンCの摂取量が 1 日あたり 10mg
未満の状態が数か月間(約 3 か月間)続くと発症。
コラーゲンが合成されないため、血管が
もろくなり出血を起こします。
歯がぐらついたり、歯肉が損傷したり、
出血したりすることがあります。
治療をしなければ症状はますます重く
なり、患者は出血により死亡に至ります。
この病気は、主に 18 世紀以前に長い
航海をする船員の間で発生しました。
現在は、稀な病気となっておりますが、
アルコール依存症者や高齢者には
まだみられるようです。
- 食事によるビタミンCの摂取不足
- 消化吸収不良
- 腎臓からの過剰な排泄
これらが原因です。
それでは 1 日のビタミンCの推奨接種量は
どのくらいなのでしょうか。
公式の標準摂取量は、成人で1日あたり110mg。
果物と野菜を 1 日 5 回摂取するだけで、ほぼ
100 ~ 150 mg のビタミン C が摂取できます。
フランス国立食品環境労働衛生安全庁
(Anses)によると、
「ビタミン C は体内に貯蔵できないため、
多く摂取しても意味はない」
「そのうえ、アスコルビン酸は酸性であるため、
潰瘍や胃の問題も引き起こす可能性がある。
特に腎臓に問題のある高齢者では、
腎不全や腎臓の問題のリスクが高まります」
といっています。
なぜ、ビタミンC摂取を擁護するのか?
それではなぜ、薬局ではビタミンCを摂取
するよう勧めるのでしょうか。
それは、製造業者や薬局にとって、非常に
有益なビジネスだからです。
フランスで あるテレビ局が、パリの薬剤
師組合にインタビューをしたところ、
ビタミンCを摂取する理由をこのように
言っていました。
「果物と野菜の消費量は、フランス国民
全体で均一ではありません。
ビタミン C を供給すれば、冬の間 病気に
ならずに済みます」。
また上記で挙げた製造業者UPSAは、
「私たちは、ビタミンC欠乏症にさらされ
ている」と主張しています。
多くの人が当たり前に購入している
“ビタミンC”。
日頃の食生活を振りかえって、あなたは
ほんとうに飲む必要があるかのどうか、
よく考えてから購入したほうがいいようですね。
【参照】
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
cochrane.org/fr
francetvinfo.fr
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