ヨーロッパ・過去最高の高齢者の死亡率
2022 年 5 月 30 日から 9 月 4 日まで
ヨーロッパを襲った熱波により、
35 ヶ国で 6 万 2000 人近くが死亡。
これは、スペインのISGlobalと
フランスの国立保健医療研究研究所
（Inserm）の研究者チームが 7 月
10 日月曜日に発表したデータによる
ものです。
今年は去年よりも暑いと言われて
います。
6 月は、パリで観測史上最も暑い日と
なりました。
フランスでは、老人ホームを含め
公共の施設でも冷房がないところが
多く、街中では涼を求め、
日中は教会で過ごす人も多いです。
フランスではほとんどの家は断熱材
を入れており、外気が入ってこないよう
造られています。
ですからシャッターや雨戸を閉めれば
家の中は比較的しのぎやすいです。
でも古いアパートメントなどは、
けっこう暑いです。
パリでも、築100年以上の
アパートメントなんてざらにあります。
特に高齢者は温度に対する感覚が弱く
なるため、室内でも熱中症にかかり
やすい。
通常、脳が暑いと判断すると、体は
自律的に皮膚の血流量や汗の量を
増やして、体内の熱を周囲に逃がそうと
します。
しかし、高齢者は若者に比べて、体の
熱を周囲に逃がす熱放散能力が低く、
深部体温が上昇しやすくなります。
そのため、室内でも熱中症に
なりやすいのです。
ですから、喉の渇きを感じなくても
水分補給が必要です。
日本で起きている夏のヒートショック
ヨーロッパは冷房の効いている
ところが少ないため、日本のように
夏にヒートショックで高齢者が亡く
なるということはあまりありません。
ふつう、ヒートショックと言うと、
冬に多いと思われがちですが、
日本では夏でもヒートショックに
よって亡くなる高齢者がおります。
ヒートショックの原因は、
急激な温度差に身体が対応できない
こと。
10℃以上の温度差がある場合には、
ヒートショックに注意が必要です。
血圧が乱高下して夏のヒートショックが
起こります。
暖かいところから、寒いところに
行って、ブルブルっと震えたことは
ありませんか？
これもヒートショックです。
例
・ 冷房の効いた１階リビングから、
エアコンの付いていない 2 階に移動する。
・ 暑い戸外から帰り、いきなり
エアコンで冷えた部屋に入る。
・ 外から帰り、すぐに冷たい
シャワーを浴びる。
その他、夏にヒートショックを起こす
ことが多いのが風呂場とトイレ。
お風呂
汗をかいたという感覚や喉の渇きを
感じにくい。
水分不足による熱中症、のぼせの
症状が出て意識を失う危険性がある。
トイレ
いきみ過ぎると、心臓に負担がかかります。
さらに、排便後は一瞬ですが血圧が
急降下します。
トイレは寒暖差以外にも、血圧の
乱高下が激しくなる場所です。
次のような症状が出たら、
ヒートショックを疑いましょう。
・ めまいや立ちくらみ
軽度です。
安静にして、めまいや立ちくらみが
治まるのを待ちましょう。
・ 呼吸困難、嘔吐、意識障害
重度です。
胸が締め付けられるような痛みが伴う
場合は、心筋梗塞が疑われます。
すぐに救急車を呼びましょう。
頭痛、ろれつが回らないといった場合は、
脳卒中の恐れがあります。
無理に動かさず横にして寝かせ、
こちらも救急車を呼びましょう。
ヒートショックを起こしやすい人
・ 高血圧の人
・ 糖尿病・脂質異常症の人
・ 心筋梗塞・脳出血などの既往歴がある人
いずれも動脈硬化の恐れがあるので
注意が必要です。
暑さを乗り切る食べものとは？
フランスでは、1日のうち1 食は
下記の果物や野菜を含むサラダを
勧めています。
食べながら、水分補給が出来るからです。
・ 乳製品
ヨーグルト、カッテージチーズ
・ 野菜
ズッキーニ、トマト、キュウリ、
カリフラワー、 フェンネル、
ピーマン
・ 果物
メロン、スイカ、ネクタリン、
イチゴ、桃、柑橘系の果物
・ 肉
鳥肉や七面鳥
肉や魚、卵、豆類、乳製品などの
タンパク質が豊富な食品を摂る
ことが大切です。
胃もたれしやすい高齢者の方は、
肉類の代わりに淡白な魚や大豆製品、
卵からの摂取がおすすめです。
・ 水分補給
・ バランスの良い食事
・ 睡眠
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