エレベーター故障中
日曜日の朝、日本に向けて出発の日。
空港に行く時間になったので、
ホテルの部屋を出た。
娘も一緒に行ってくれるというので、
仕事に遅れないよう、少し早めに。
「言ってあるから遅れても大丈夫」
とは言ってくれたが・・・。
ホテルの廊下をキャリアケースを引っ張って
エレベーターの前まできた。
スーツケースは娘が持っている。
私がエレベーターのボタンを押して、娘と
話していたのだが・・・
「ウン?」いつもならエレベーターの
「チン」という音が聞こえるのに、何も
聞こえない。
押し方が悪かったのかと思い、もう一度押す。
いつもなら青く光るボタンが、光らない。
ということは・・・。
故障中!!!
「エーッ、3 ヶ月いて故障なんて一度も
なかったのに、よりによって今日 故障中?」
ここは 6 階、4 階はないから日本でいうと 5 階。
ここから階段で降りるの?
スーツケースを持って?
と思わず文句を言いたくなってしまった。
でも娘は「故障だから仕方ないでしょ!」と
階段に向かう。
幸い、スーツケースは娘が持ってくれたので
私はキャリーケースだけ。
それでもパソコンも入っているし、10 キロ
近くある。
スーツケースは多分 15 キロ近くあったと思う。
娘がいなかったら、どうなっていたか・・・。
考えただけでもゾッとする。
始まりがコレ。
「今日スムーズに行けばいいな~」と思わず願った。
電車で行かれるのだが、娘はバスで行くと言う。
そのほうが簡単らしい。
そこでバス停に行ったら、ちょうどバスが出たところ。
日曜ダイヤなので本数が少ない。
時間に余裕があるからと少しは安心していたが、
次は 20 分後。
仕方ないけど、あのエレベーターが動いていたら
と恨めしかった。
しばらくして空港に着く。
カウンターを探すのにちょっと時間がかかって
しまった。
でもオンラインチェックインは済んでいるし、
荷物だけだから、それほど混んではいないだろうと
思っていたが・・・
「エーッ、こんなに混んでるの?」
長い行列が出来ていた。
時間に余裕を持ってできたつもりだったが、
これでは娘が遅刻してしまう。
娘は「言ってあるから大丈夫」と言うが
こちらとしてはもう気が気ではない。
でも荷物専用カウンターなので、進み具合は
早かった。
ようやく次が私の番となった。
でも荷物専用のカウンターは 2 つあるのだが、
そこにいる 2 組がなかなか終わらない。
1 組は 6 人家族。
カウンターの人と何やら話している。
そのうち 1 人が、ファイルを開けて
なにやら探しだした。
陰性証明のコピーか、はたまた搭乗券?
もう 1 組は日本人の親子だったが
こちらも長い。
カウンターの人が電話をかけて誰かに聞いて
いるらしく、なかなか進まない。
じりじりしているから、文句も出てくる。
すると娘に「こっちまでイライラしてくるから、
文句いうのはやめて!」と言われてしまった。
やっと自分達の番になったが、そばの時計を見ると
前の人達は 19 分かかっていた。
私はなるべく早く済ませようと、すべて用意して
いたから 2 分ぐらいで終わった。
用意していたのは、
・ パスポート
・ アプリ VJWのファストトラックの青色の画面
・ モバイル搭乗券
これは荷物預けのときも見せる必要がある。
もうあとは飛行機に乗るだけ。
娘に、「もう大丈夫だから」と言ったら
しつこいと思ったのか、呆れた顔をしている。
そこで私も黙った。
パスポート検査の手前まで、娘は来てくれた。
ふつうならここで長いハグをするところだが、
やっぱり時間が気になる。
娘に軽いハグだけして別れた。
ちょっと軽すぎる、お別れだった。
でも時間が気になっていたから仕方ない。
飛行機に乗ったところで、娘から
「今、着いた」とメッセージが入った。
どうやらギリギリで遅刻はしなかったようだ。
それにしても慌ただしかったお別れに
なってしまった。
機内食はすべて完食
搭乗開始。
窓側の席の人から搭乗する。
よかった!
シドニーに来た時は頭上の荷物入れはすでに
いっぱいで、けっこう離れたところに
キャリアケースを入れられてしまったから。
番号を見ながら自分の席に行く。
すると自分の座るところに、可愛い女の子が
座っている。
2 歳ぐらいだろうか。
それもひとり。
前後の席は誰もいない。
びっくりして係りの人に声をかけたら
その子の母親に声をかけてくれた。
母親は機内中央の席にいたが、すぐに
来てくれて、娘を連れて行った。
娘は嫌がっていたが、仕方ないね。
席は窓側だったので、機内から外を見る。
来たときは中央の席だったので、景色は
見れなかった。
オーストラリアって本当に大きい。
端から端まで縦断する形で飛んでいるのだけれど、
3 時間飛んでもまだ陸地が見える。
しばらくして機内食が出てきた。
じつはエコノミークラスの機内食。
いつも美味しいと思ったことがない。
でも今回は美味しいと思った。
その理由は、ジュネーブからシドニーに着くまで
2 便とも格安航空券だったが、機内食が
とてもまずかったから。
多少お腹はすいていたが、一口食べて
やめてしまった。
だからシドニーに着いたときはお腹が
ペコペコだった。
今回はANA。
ANAが 1 番時間がかからず、安かった。
他の航空会社だと 20 時間以上かかる。
ANAは 9 時間で行くのに、他社は時間も
かかって料金も高い。
途中で降りて観光をするならいいけれど、
今回はその予定はなかったし・・・。
そこで機内食だが、さすがANA。
サービスもいいし、機内食もいい。
メインはそれほどでもなかったけれど、
とにかく種類がある。
アルコールも飲めるし。
前菜、サラダ、果物、チーズとアイス。
パンもパサパサではない。
お腹がすいていたこともあるけれど、
来たときはそれでも食べようと思わなかったから
やっぱり格安航空券との違いはあるな~と思った。
最後の最後にまたもや・・・
日本に到着。
予定より 15 分ほど早かった。
スムーズに入国できたが、ただひとつ、
WIFIがうまく繋がらず、ファストトラックの
画面が表示できなかった。
でもスクショを撮っておいたので、それを見せると
問題なく通過できた。
WIFIが使えない場合もあるので、スクショを
撮っておくのが一番いい。
そして荷物が出てくるまで待つ。
荷物が出てくるまでけっこう時間がかかった。
受け取り後、京急に乗る。時間は 10 時近く。
電車もすいていて大きなスーツケースも、
他の人の邪魔にはならなかった。
そして駅に到着するちょっと前にアナウンスが入った。
なんと・・・・
エスカレーターが故障中とのこと。
駅に着いて他の人を観察。
スーツケースを持っている人もいたから
エレベーターがあればそちらの方に行くだろう
と思って見ていたのだが・・・。
若い女性だったが、スーツケースをヒョイと持ちあげ、
階段を降りて行った。
それを見てため息が出たが、階段の上に来てまたため息。
けっこうあるよね、この階段。
誰も手伝ってくれないし、自分で持つしかないよね~。
と自分に言い聞かせて。
肩からバッグを下げ、片手にキャリアケース。
もう片方の手にスーツケースを持って、
一段一段降りて行った。
降りたときには、もう手が震えていたけれど。
そこからタクシー乗り場に行く。
以前はいつもタクシーが並んでいたが、昨日は
1 台もいなかった。
待っている人は8人。
電車もすいていたし、タクシーもいないし、
ずいぶん変わったな~と思ったのだけれど、日曜日
だったからかな。
タクシーに乗って、実家に向かう。
この時間なら弟がいるだろうから、
スーツケースを運ぶのを手伝ってもらおうと
思ったら、残念なことにいなかった。
実家は玄関まで階段がある。
まあ、自分の物なのだから、人をあてにするのは
よくないね。
自分でやらなければ、と思い、また重い
スーツケースを持って、1段1段 階段を上がる。
もう家に入ったときは、足も手もガクガク。
最近、特に力が無くなってきたから・・・。
その後、簡単に荷物の整理をしてお風呂に入る。
やっぱり日本のお風呂は気持ちいい~!
お風呂に入る前に ” お疲れさま ” ということで
目の前のコンビニに飛び込んで、ビールとおつまみを
購入していた。
日本のコンビニは便利だね。
まして目の前にあるので、超便利。
昨日はそのあと、すぐに寝付くことができました。
今頃は娘も 3 ヶ月ぶりに、キングサイズのベッドの真ん中で
ぐっすりと眠っているだろうな~と思いながら。