セザンヌが描いたアヌシー湖
岸から離れたところで、犬が必死に泳いでいます。
周りには何もなく、誰も助けに行きません。
岸からけっこう離れていて、なぜあんな遠くまで
行ったのか？
ボートから落ちたのか？
それだったら飼い主が助けるだろうと思うのですが、
周りには誰もいません。
「あのままだと、あの犬は力尽きて溺れてしまう！」
心配でずっと見ていました。
すると、驚くべきことが・・・。
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土曜日に娘と、アヌシー湖に行ってきました。
アヌシー湖は、フランスの画家セザンヌが
描いたことでも有名な湖です。
気温 35 度ということでしたが、
アヌシーの街も湖も、大勢人が出ていました。
アヌシーは、観光地として有名なところです。
また 2023 年の調査では、
フランス人の住みたい街ランキングで、
ご覧のように、2位に上がっています。
『フランス人が住みたいところ』
- アンジェ（Angers）
- アヌシー（Annecy)
- ニース（Nice)
アヌシーには ”アヌシー湖”と呼ばれている
大きな湖があります。
1 年を通して、たくさんの人が訪れる湖です。
その湖で今、私の目の前で、犬が必死に
犬かきをして泳いでいるのです。
それも岸からはるか遠くのところ。
周りにはいくつか、ペダルボートがあるだけ。
でも、どのボートも無人です。
疲れても犬ですから、ボートには
這い上がれません。
でも・・・誰も助けに行こうとはしない
のです。
助けに行くといっても、遠いので泳いで
いくのはまず無理でしょう。
「あの犬、どうなっちゃうんだろう？」
と娘と見守っていました。
それしか出来ないからです。
すると・・・。
犬の肩が水面からわずかですが、持ち
あがったのです。
大きな岩があり、そこに乗ったのかと
思いました。
ちょっと安心。
でもその犬はまた 犬かきで、泳ぎ始めました。
しばらくすると、苦しいのか助けを
求めているのか、「ワン」「ワン」と
吠え始めました。
でも相変わらず、誰も助けに行きません。
「飼い主はいないの？」と思い、あたりを
見回しても、それらしき人は見当たりません。
するとその犬と同じ犬種の犬が、
やはり湖で泳いでいるのを発見しました。
でもその犬は岸に近いところにいるし、
吠えられても助けに行くことはまず不可能。
私達はずっとそこに立ち止まったまま、
なりゆきを見ていました。
犬かきで泳いでいる犬は、まだ岸から
はるか遠くにいます。
「ワン」 「ワン」
犬は助けを求めて、まだ吠え続けています。
「どうなっちゃうの？あの犬？！」
と思っていたら、犬の肩がちらっと
見えました。
でも今度は、岩の上に乗っているようでもない。
肩が見えたり見えなかったり。
でも泳いでいるには、なんか不自然。
でもそこはまだ、岸から遠いのです。
大きな岩が、湖の底に延々とあるとは
考えられません。
？？？と思いながら見ていると・・・
娘が私に「あれ見て」と言うのです。
娘の指さす方を見ると、湖なのに人が
たくさん歩いているのです。
それも岸からはるか遠いところを、バチャ
バチャと歩いているのです。
中には小さな子供もいました。
「エーッ、ってことは、あの犬が泳いで
いるところも深くないの？」
と犬を見ると、犬の肩が水面の上に出ています。
なんと・・・、歩いているじゃありませんか。
そこはもう足がつくのでしょう。
岸に向かって歩いてきました。
私達が犬を発見したところは、足が
つかなかったところだったのかもしれません。
でもちょっと戻れば、足がつくところだった
のでしょう。
その犬は岸に着くと、飼い主らしき人の
ところに寄っていきました。
「よかった～」と思いましたが、ホッと
したのと同時に、「どうなってるの？」
「こんなに水がなくなってしまったの？」と
驚きました。
フランスのあちこちで、湖や川が干上がって
いるのはニュースで見ています。
でも、まさかこんな近くで、目の当たりに
するとは思ってもいませんでした。
アヌシー湖・フランスで 2 番目に大きい氷河起源の湖
ここでアヌシー湖について、
ちょっとご紹介しますね。
【アヌシー湖】（lac d’Annecy)
「青い湖」とも呼ばれるアヌシー湖は、
フランスの「オートサヴォワ県アルプス」に
位置する湖です。
表面積からすると、ブルジェ湖に次いで
フランスで 2 番目に大きい湖となります。
『ブルジェ湖』（Lac du Bourget）
サヴォアにあるフランス最大の湖
アヌシー湖は、氷河起源の湖です。
18,000 年前にアルプスの氷河が溶けた
ときに形成されました。
最大深度：80.6m
アヌシー湖は世界屈指の透明度で知られ、
多様な植物が生息する、世界で最もきれいな
湖の 1 つです。
そのアヌシー湖で、いったい何が
起こっているのか？
調べてみると、
このアヌシー湖、水位がどんどん下がって
いるんです。
5 月以来、アヌシー湖の水位は 50 センチ
メートル低下しました。
原因は干ばつ。
熱波、雨不足が原因です。
7 月と 8 月の降水量は十分ではなく、
湖も蒸発していたのです。
この写真は、2021 年 3 月に撮ったもの。
アヌシー湖に通じる川です。
今はこのとおりです。
こちらは 2021 年 3 月のアヌシー湖です。
ところが今は、
犬が泳いでいたところは、この辺です。
アヌシーの旧市街です。
旧市街は人がいっぱいでした。
旧市街にあるアイスクリーム屋さん。
美味しいことで有名で、いつも行列を
作ってます。
私達も並んで買いました。
コーンもカップも同じ値段。
上に乗っている丸くないのは、試食用です。
「何か試食しますか？」と聞かれるので
試食したいフレーバーを言うと、
無料でのせてくれるのです。
他の店は「試食」だと、小さなスプーンで
くれるのですが、ここは十分量があるから嬉しい！
それにしても地球温暖化の影響は、身近に
迫っているのですね。
例年、私の住んでいるところでは、9 月に
なると朝夕は寒いぐらい。
だから学生達は、上着を来て学校に行きます。
でも今フランスは、まだ猛暑。
学生達は、半袖で通学しています。
天気予報によると、木曜日頃から天気が
崩れるようですが、最近予報はよく
外れます。
あまりにもコロコロと天気が変わるので
予想も難しいのでしょう。
私もいつもはとっくに夏服はしまって、
冬服を出しているのですが、
今年はまだ夏服が入ったままです。
でも急に寒くなることも考えられるので、
「そろそろ冬服を出しておこうかな」と
思案中です。
【参照】
nexity.fr franceinfo
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