膝への負担が大きい行動とは
一生自分の足で歩きたい。
そのため、毎日ウォーキングや筋トレに
励んでいらっしゃる方も多いと思います。
足腰が弱まると、日常的な生活や老後の
楽しみが低下してしまいます。
でも間違ったやりかたをしていると、
その運動が逆効果になってしまうのです。
今日は、毎日の生活で知らずに行っている
NG行動についても、ご紹介したいと思います。
これらを続けていると、足腰が弱って、
将来歩けなくなってしまう可能性もある
ので要注意です。
「毎日ウオーキングをして、できる限り
歩いている。」
「早く筋肉をつけたいし、筋トレはやれば
やるほど効果が出るから」
このように思って頑張っている方。
じつはこれはシニアには、当てはまらないのです。
ウオーキングは、
- 骨粗鬆症の予防
- 認知症や動脈硬化の予防
- 筋力アップ
その他にも、多くの健康効果があります。
ただ歩きすぎると、疲れが溜まって免疫力が
低下し、風邪など感染症にかかりやすく
なることもわかっています。
筋力トレーニングも、重すぎるハードル
などを使って繰り返していると、逆に
足腰を痛めてしまいます。
ですから運動は、ほどほどが一番いいのです。
高齢者は怪我などで歩けなくなったり、
または寝込んでしまうと、その間に筋力が
低下して、元どおりになるまでに時間が
かかります。
特に足の筋肉は弱りやすいので、その状態が
長く続くと、歩くのが困難になってしまうこと
もあるのです。
良かれと思ってやっていた運動が逆効果に
ならないように注意しましょう。
ウオーキングなら 7000 歩、
筋トレなら週に 2 ~ 3 回がいいようです。
ただ人によって、個人差があると思います
ので、疲れがたまらない程度に、自分の
体力に合わせて行ってくださいね。
重い荷物を持って歩く
重い荷物を持って歩く。
これはNG行動のひとつです。
重いものを持って歩くと、膝に負担が
かかります。
その結果、”膝の関節軟骨” がより
すり減ってしまうのです。
膝には “関節軟骨”があり、
歩いたり走ったりするときに、骨の衝撃を
やわらげたり、関節を曲げ伸ばしする際に、
摩擦を防ぐ役割をしています。
“関節軟骨”は誰でも老化によってすり減って
きますが、毎日重い荷物を持って歩いている
と、初めのうちは違和感だけなのが、その
うち歩くと痛みが出てきます。
さらに進行すると常に痛みを伴うようになり、
水が溜まったりして、歩くのが困難になって
しまいます。
私の叔母は商売柄、若いときから重い物を
運んでいました。
その結果、歳をとってから
『変形性膝関節症』になってしまいました。
病院で注射を打ってもらっていましたが、
そのうち歩くのも困難になり、外出もまま
ならなくなってしまったのです。
こうなると、外との交流も減ってしまいます。
手術をして、人工関節という選択肢もあり
ましたが、その手術は受けませんでした。
そして「認知症発症」。
このような人は多いそうです。
片方の手で重い荷物を持って歩くと、
片方の膝に集中して負荷がかかります。
今は大丈夫でも、将来、歩けなくなる可能性
もでてきます。
ほとんどの方は、癖で同じ手で荷物をもって
歩いているのではないでしょうか。
私は荷物を持つ場合、たいてい、右手で持って
います。
右手が疲れてきたら、左手に持ち替えますが、
荷物を持つときは、たいてい右手です。
片手で重い荷物を持ったまま歩くということ
は、からだが傾いた状態で、歩いているわけです。
この状態が長く続くと、身体が歪み、こりを
感じるようになります。
ひどい場合は、背骨が湾曲することもあります。
そしてこれも関節軟骨がすり減って、膝に
痛みが出てくる原因となります。
買い物には、ショッピングカートなどを
利用するのがいいですね。
また、肥満も同じです。
荷物ならば、重ければどこかに置いて休む
こともできますが、肥満の場合は、常に重い
荷物を背負っているのと同じです。
歩行時に、どのくらいの負荷が膝にかかって
いるかご存じですか。
歩くだけで体重の 2 ~ 3 倍、
階段の上り下りには体重の6~7倍の負荷
がかかっているのです。
3 キロ太ると、歩行時には 6 キロ、階段では
18 キロの重さが余計にかかります。
するとその分、関節軟骨は早くすり減ります。
これを防ぐためにも、体重管理はたいせつです。
怖いサルコペニア
上記で「運動のやりすぎはよくない」と
いいましたが、まるっきり運動をしないのも
よくありません。
筋肉量が少なくなり、『サルコペニア』を
発症しやすくなります。
『サルコペニア』とは、
加齢による筋肉量の減少、および筋力の低下
のことで、日本では『加齢性筋肉減少症』と
呼ばれています。
2016 年 10 月、国際疾病分類に疾患として、
登録されました。
現在では、65 歳以上の高齢者の 15% 程度
が、サルコペニアに該当するといわれています。
サルコペニアになると、歩く、立ち上がる
などの日常生活の基本的な動作に影響が生じ、
介護が必要になったり、転倒しやすくなった
りします。
また、各種疾患の重症化や生存期間にも、
『サルコペニアが影響する』とされています。
サルコペニアになる要因のひとつとして、
タンパク質不足があげられます。
タンパク質は、筋肉をはじめ、臓器、血液、
皮膚、髪、歯、爪など、体のあらゆる組織を
つくる材料になる栄養素です。
サルコペニア対策として、
1 日で体重 1 kgあたり 1.2 ~ 1.5 g程度の
たんぱく質摂取が必要です。
一般に高齢になると食事の量が減り、
あっさりしたものを好むようになります。
すると偏った食事になりやすく、栄養が
足りなくなります。
厚生労働省の調べでは、
・65歳以上の男性 12.4%
・65歳以上の女性 20.7%
が、低栄養傾向にあるようです。
不足している栄養素の中でも、特に
不足気味なのがタンパク質。
いくら運動をしても、筋肉や骨の材料となる
タンパク質が不足していては、足腰の老化を
防ぐことはできません。
サルコペニアには、特効薬はありません。
栄養補給と運動が、特に重要となります。
食事は栄養がかたよらないように、
バランスを考えて摂りましょう。
またサルコペニアにならないためには、
生活習慣の見直しも必要です。
畳の上に座って生活するのも、膝にはよく
ありません。
特に正座は、膝関節の曲がりすぎといわれ
ています。
膝関節は 140 度までが、ストレスなく曲げら
れる角度です。
正座をした時の屈曲角度は 160 度程度。
正座は、膝を痛める基になります。
そして女性がよくする横座り。
これは、膝がねじれている状態です。
膝関節というのは、通常前と後ろにしか
動かない構造となっています。
また、座って立ち上がる動作ですが、これも
膝に負荷がかかります。
なるべく、椅子に座る生活に切り替えましょう。
さいごになりますが、
サルコペニアの可能性があるかどうか、
チェックする方法があります。
【指輪っかテスト】
親指と人差し指で輪っかをつくり、
ふくらはぎの一番太い部分を囲みます。
ふくらはぎが輪っかより細いほど、
サルコペニアの可能性が高くなります。
【片足立ちテスト】
- 裸足になって立つ
- 両手を腰にあてる
- 片足を 5 cmほど上げて、そのままの
状態を 15 秒以上キープする
片足立ちのキープ目標は 1 分です。
片足立ちが 1 分間できれば、サルコペニアの
可能性は低いといえます。
片足立ちのキープ時間が、
・15秒未満 注意
・8秒以下 要注意
となります。
キープ時間が短いほど、サルコペニアの
可能性が高くなります。
将来 介護に頼らないために
【足腰が弱る原因】は、
- 加齢
- 立ったり、歩いたりする機能の衰え
- 筋力やバランス力の低下
などがあげられます。
骨を支える筋肉ですが、
男女とも 20 ~ 30 代をピークに少しずつ
筋量が減っていき、
60 代になるとさらに減少。
80 歳までには、ピーク時の 30 ~ 40 %に
低下するといわれています。
継続的に運動をすれば、歳に関係なく
筋力増強につながります。
ただシニアになったら、若い頃と同じ感覚で
運動するのは避けたほうがいいです。
無理な運動をすると、体力が続かない
ばかりか、怪我をしたり、体調不良で倒れて
しまったりする可能性もあります。
無理をして続けられなくなってしまったら、
元も子もありません。
『厚生労働省の調査』で、運動習慣のある人は
・ 65歳以上の男性 46.2 %
・ 65歳以上の女性 39.0 %
となっています。
この運動習慣とは、
1 回 30 分以上の運動を週 2 回以上、
1 年以上継続していることを指しています。
男女ともに運動頻度が高い人ほど、連続して
1 時間以上歩行できる人の割合が増えており、
その上、運動習慣のある人は、生活の充実度が
高いという結果も見られています。
足腰の衰えは、『健康寿命』に直結します。
『健康寿命』とは、
「健康上の問題で日常生活が制限されること
なく生活できる期間」のことです。
将来 介護に頼らないためにも、自分の体力
や身体機能に見合った運動をして、日々の
生活を充実させましょう。
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