フェズ・世界最大の迷宮都市
フェズで 1 日過ごしました。
前日はろくに食べておらず、お腹がすいて
いたため、8時過ぎに朝食を食べに・・・。
歩いていると、”スナック” と書かれた軽食の
店を発見。
店先でパンのようなものを焼いています。
何か食べれるか聞いたら、タコスや
サンドイッチならできるとのこと。
メニューを見ると、メルゲーズのサンドイッチ
があります。
メルゲーズとは、マトンあるいは牛肉で
作った赤く香辛料の効いたソーセージです。
「コレ」と注文すると、「これはメルゲーズよ」
と言うのです。
それもわたしの顔を見て・・・。
メルゲーズだから注文したのであって、
「知ってる」と言うと、「ほんとうに今、
メルゲーズを食べるの?」と聞いてくるんです。
「さすがにモロッコ人でも、朝から
メルゲーズは食べないのかな?」と思って
いると、「鶏にしない?」と言われ、
けっきょく鶏のサンドイッチにしました。
お腹がすいていましたが、待つこと
20 分ほど。
でも、出てきたサンドイッチは、ボリューム
満点で、その上フライドポテト付き。
さすがに、これだけでお腹いっぱい。
フラドポテトは完食できず。
街を歩いていると市場がありました。
明るくて、すべて新鮮です。
その後に向かったのが、メディナです。
この門は、メディナの入り口にあたる、ブー・ジュルード門。
メディナで迷ったら、この門を目指して歩けば出られます。
9 世紀に造られた “フェズ・エル・バリ” は、
1000 年以上変わらぬ姿の薄茶色の建物が
建ち並ぶ旧市街(メディナ)です。
このメディナは、モロッコ最古の都市。
そしてこのメディナにあるスーク(市場)は、
「世界一複雑な迷路」と言われる 1200 年の
歴史を持つ市場。
2 年前に来たときは、ちょうど金曜日で
お店はほとんど閉まっており、職人も
いませんでしたが、今回は月曜日。
2 本のメイン通りにはお店がひしめき合い
とても賑やかです。
でも、メイン通りといっても、道はそれほど
広くありません。
朝の10時頃だったので、すいていました。
またメイン通りからはたくさんの細い
道が続いており、路地に入ると、人一人が
やっと通れるぐらいのところも数多くあります。
そのようなところですので、一旦メディナに
入り込むとまるで迷路の様。
抜け出すのも一苦労です。
ですから、ガイドをつけて周っている人も
多くいました。
わたしは 2 年前に来たときに、
ガイド付きで周ったので、今回はガイドは
つけず、ひとりで・・・。
フェズのメディナというと、
『タンネリ・ショワラ』(なめし革工場)
が有名です。
中世から変わらぬ手法で革をなめし、
自然の染料で染めています。
ただわたしはタンネリは以前に見ているので、
今回はパス。
また、タンネリはとても臭いのです。
皮を洗う液体に鳩の糞が含まれており、
これが強烈な臭いを発します。
タンネリに行くと、入口でミントの葉を
渡され、これを鼻に入れるのですが、
これぐらいでは効果無し。
その上タンネリを見た後は、革製品を
売りつけられます。
もちろん買うつもりがなければ断れますが、
これが、けっこうしつこいのです。
ということで、今回はタンネリは
行きませんでした。
メディナの革製品の一角を歩いていると、
「うちの店からタンネリが見えるよ!
寄って行かない?」とあちらこちらで
声をかけられましたが、「ノン、メルシー」と
言って無視して進んでいきました。
このスークには革製品の他、衣類、肉、
その他あらゆる種類の物が売られています。
今回、ここで買ったのはスカーフ。
この後、砂漠に行くため、砂漠の砂塵
から身を守るために必要です。
また、サボンノワールとアルガンオイルも
売っていましたが、これらは後に行く
エッサウイラで買ったほうが安いので、
ここでは却下。
また旅は始まったばかり。
ここで買うと、荷物が増えてしまいます。
日本では見られない光景・スークの肉屋
今回のスークは野菜や肉などをメインに
見て、周ってきました。
安くて新鮮そのもの。
ミントティーは、モロッコでは必須。
あちらこちらでミントが売られています。
そして肉屋の一角では、フランスではまず
見ることができない光景を見ることができました。
今、お食事中の方。
この先はお食事が終わってから、お読みに
なっていただいたほうがいいかもしれません。
まず、肉屋の店先には羊かヤギか
わかりませんが、大きな物体がいくつも
ぶらさがっていました。
大きな部位を買い求める人は、この物体から
切り取ってもらいます。
その他に牛や羊の頭、内臓などがいくつも
店頭に並んでいました。
写真を撮ってきたのですが、頭と内臓の
写真を家族に送ったら、ショックだった
ようなので、ここでは控えますね。
そして少し進んでいくと、鶏肉屋さん。
ここでは調理台で、鶏をさばいていました。
とても手際がいい。
でも・・・。
その人の横を見ると、生きた鶏がたくさん
うごめいています。
「エーッ」
そう、これらの鶏はこれから屠殺される運命
なのですが、ここから先は写真を拒否されました。
さばかれた鶏肉は、どんどん店頭に並んで
いきます。
確かに “フレッシュミート” です。
そばの肉屋の前では、ネコが店先で
おとなしくおこぼれを待っていました。
見ていると、ネコにときどき肉をあげています。
またこのように、傍で食べているネコも・・・。
さすがに太っているネコはいませんでしたが、
どのネコも比較的ふつうの体型でした。
ここのネコは、いつもこのようにエサを
もらっているのでしょう。
衣類を売っている店では、キャットフードが
店の横に置いてありましたから・・・。
モロッコはどこにでもネコがいますが、
ほとんど野良猫です。
店頭の商品の上で寝ていたり、レストランの
中にも入ってきます。
でも、ネコを追い払う人はまずいません。
文字通り、ネコには天国でしょう。
といっても、スークを出ると痩せこけた
ネコもいるし、ネコ同士の縄張り争いもあります。
やはり生きていくには、それなりにきびしいのです。
この後は、傍にある
『ブー・イナーニーヤ・マドラサ』に
行ったのですが、残念ながら門が閉まっており、
中は見ることができませんでした。
『ブー・イナーニーヤ・マドラサ』は
神学校です。
そこには大勢のツアー客がおり、門の前で
写真を撮るグループ、ガイドの説明を聞く
グループ、その他の観光客とそうとうごった
返していました。
フェズを一望できる場所
スークを出て、フェズを一望できるという
“マリーン朝の墓地 “(Tombeaux Merinides)
に向かいました。
スークを抜けて行くのですが、何人かに
聞いてもなかなか道がわからず。
運よくさいごに聞いた女性が、そちらの方に
行くというので、途中まで連れていってもらいました。
広場に着くと彼女はバス停を指さして、
「あそこからバスに乗って」と教えて
くれ、彼女とはそこで別れました。
わたしは、歩いて行かれると思っていたの
ですが、けっこう距離があるようです。
バスと言っても、どのバスに乗ればいいのか・・・。
悩んだ末、タクシーで行くことにしました。
モロッコではタクシーは、足替わりです。
“プチタクシー” と呼ばれるタクシーが
至る所を走っています。
街によってタクシーの色が違っており、
フェズは赤でした。
相乗りなら安いですが、ひとりだと高く
なります。
またひとりで乗る場合は、乗る前に
値段交渉をしないとぼったくられます。
そこで手を上げたら、タクシーが止まって
くれました。
すでに 3 人の男性が乗っています。
「Tombeaux Merinidesに行く?」
というと、「乗れ」という合図。
そこで後ろの席に座りました。
相乗りだから、それほどぼったくられる
こともないと思ったので、値段は聞かず。
このタクシーの運ちゃんとお客さん、
けっこうノリがよく、「日本人か」と聞いて
きたので「そうだ」と答えると、「東京?」
と聞いてきました。
「横浜、東京のそば、知ってる?」と
答えると、お客のひとりが「知ってるよ」と。
そのままお喋りが続き、目的地に到着。
「ここで降りて、あそこから歩いていくと
近いよ」と教えてくれました。
「いくら?」と聞くと、「楽しかったから
いらない」と言われ、タダ。
「こんな人もいるんだな~」と感心して
しまいました。
でもタクシーを降りてからが、大変でした。
「登っていけばいい」と簡単に言われたの
ですが、これがけっこうキツイ。
途中で何回、「もうやめようか」と思った
ことか・・・。
半分あきらめかけたとき、上からふたり
の若い男性が下りてきたのです。
「上までどのくらいあるの?」と聞くと、
「5 分程度」との返事。
それなら・・・とまた登り始めたのですが、
けっきょく倍かかりました。
若い彼らの 5 分、わたしには倍かかるのです。
でも上から眺める景色は、素晴らしいものでした。
ここは観光スポットになっていて、フェズの街が
一望できるのです。
ほんとうは夕日が沈む時が一番いいらしい
のですが、やはり墓地。
日が暮れてからは人も訪れず、また
そばに食べかすやゴミがたくさん散らかって
いたので、薄暗くなってからはちょっと
危険が伴うところのようでした。
あたりの景色を見ながら、
「きつかったけど、来てよかった~」
と思ってふと下を見ると、ちょっと離れたところ
に長い階段が見えました。
「あの階段を上ってくれば、こんな崖みたいな
ところを登らなくてもよかったんじゃない?」
と思いましたが・・・。
帰りのタクシーの運ちゃんに聞いたら、やはり
階段で上るのがふつうらしい。
「でも時間はかかるよ」と言ってたので、
これでよかったことに・・・。
フェズでハマムに
マリーン朝の墓地を出て、タクシーに
乗り込み、今度は “ハマム” に向かいます。
“ハマム” とは公衆浴場ですが、一般の人達が
行くところは、バケツやタオルなどを持って
行かなければなりません。
わたしはそのような物は用意していないので、
観光客用のハマム&スパに予約を入れていました。
ネットで見ると、フェズのハマム&スパは
マラケシュと違うそうです。
今までの疲れもあるし、今日はもう
やることがないので、ハマムに行くことに。
ハマムに電話して、「タクシーで行くけど、
運転手はわかる?」と聞いたら、「問題ない」
という返事だったのが、運転手にハマムの
名前を言うと、「そんなとこ知らない」
と一言。
こちらのタクシーには、GPSはありません。
そこでハマムに電話をして、運転手に行き方を
説明してもらいました。
しばらく走った後、タクシーはスークの
入り口の “ブー・ジュルード門” で止まりました。
そこで運転手から「ここで降りて」と
言われたのです。
「エッ、スークの中にあるの?」
スークの中だったら、歩いていくしかあり
ませんが、道がわかりません。
そこで仕方なくタクシーを降りて、ハマムに
電話をかけました。
そこから電話で道順を教えてもらいながら、
歩くこと 約 10 分。
(わたしが途中で間違えたため)
すると「あなたが見える」と電話口から
声が聞こえたのです。
辺りを見渡すと、女性が手を振っています。
そこは今朝、通ったところ。
でもここにハマムがあるなんて、気が
付きませんでした。
今回も入口で手を振っていてくれなかったら、
たぶん、入口はわからなかったでしょう。
ハマムに入ると、そこはモロッコ風の
パティオ。
まず、更衣室に行き下着 1 枚に。
以前マラケシュで行ったハマムは、紙の
パンツをくれたのですが、ここは替えを
持って来るように言われていました。
蒸し風呂のような部屋に入り、そこに
寝転びます。
そこではサボンノワールを使い、垢すりを
してくれるのですが、自分でもびっくりする
ほど垢が出ました。
その後は青い薄暗い部屋に入り、マッサージ。
アルガンオイルをたっぷりと塗られ、足先から
頭のてっぺんまでマッサージをしてもらいました。
とても気持ちがよかったです。
ホテルに帰ってくると、お肌はプルプル、
ツヤツヤ。
マラケシュと違いは感じられませんでした。
これでモロッコの初日は、無事に終了。
翌日は、フェズ駅から電車に乗って、
メクネスに向かいました。
このメクネス、じつはここが一番記憶に残る
おもしろい体験が出来たところです。
それでは、次回をお楽しみに!
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