この言葉、口癖になっていませんか?
認知症になりやすい口癖があるのを
ご存じですか?
認知症になりやすい人の口癖として、
下記があげられます。
- 昔はよかった
- これだから今の若い人は~
これらを口癖にする人に共通することは、
考え方が固くなってしまい、柔軟な考え方が
できなくなっていること。
これが行き過ぎると、社会や周囲の変化に
ついていけなくなる原因となり、不満や
ストレスが増えます。
ストレスが長期間溜まると、ストレス
ホルモンが分泌され続けます。
ストレスホルモンは全身の血流を悪くする
ので、脳の神経細胞に必要な栄養や酸素が
届かなくなるのです。
その結果、記憶を司る海馬が萎縮しやすく
なり、認知症を招くとされています。
- もう歳だから
- なんでもいいよ、好きにして
自己評価が低く、否定的な発言が多い人。
また、活動性が低く、さまざまなことに
依存的な人も認知症になりやすい傾向があります。
これらの口癖の中でも、「昔はよかった」
この口癖が一番多いでしょう。
オジサン世代の口癖のひとつとして、
「昔はよかった」というセリフ。
今日は、この口癖にフォーカスします。
この言葉自体は、悪くないんです。
同年代の人達と語り合い、昔を懐かしむ
のも楽しいですしね。
じっさい、私もよく使います。
ただこれが口癖になってしまうと、
「うざい」と思われますし、認知症に
なる可能性が高まります。
「昔はよかった」
多くの人はこうした言葉を聞いて、あまり
いい気分にはなりません。
特に若い人は「うざい」と思う人のほうが
多いのではないでしょうか。
「昔はよかった」と言われても、どのような
言葉を返せばよいか分からない。
その人の昔を知ることはできず、さらに
今は現実なのですから、それを否定しても
何の意味もない。
100 歩譲って、”昔はよかった” ということ
が分かっても、ではどうすればよいのかと
いう具体的な指示や行動がない。
このようなことから、うざいと感じられて
しまうのです。
なぜ「昔はよかった」と思うのでしょう。
これはストレスを減らすための本能なのです。
人間の脳は、相対的に悪いことを早く忘れる
ようになっています。
そのため、良い印象のほうが残りやすいのです。
また人は、若い頃に憧れる癖があります。
今が自分に合わないと、自分のしてきた
こと、自分の生きてきた時代を否定された
くないという気持ちが働きます。
このような思いから「昔はよかった」と
なるわけです。
口癖が脳に与える影響
言葉には、私たちの脳を変える作用があります。
たとえば『暗示』。
有名な例としてあげられるのが、
「プラシーボ効果」。
プラシーボとは偽薬のことです。
ある研究で、
効果がある薬と実際には効果がないサプリ
メント(食塩水や砂糖水など)の2種類を
与えました。
ただ、効果がない薬を渡すとき「この薬は
効きます」と医師が言葉を付け加えていました。
当然ながら、この薬が効くわけありません。
でも驚くべきことに、病的改善がみられたのです。
これは「この薬は効く」という言葉による
効果なのです。
こうした効果を、『プラシーボ効果』と呼びます。
じっさい私の経験からも、これは証明されました。
以前ガイドをしていた頃です。
昼食のときに、「帰りのバスに乗りたく
ない」と言われたお客様がおりました。
ジュネーブから 1 時間半ほどバスに乗って、
シャモニーに来たのですが、途中で酔って
しまい、帰りはとてもバスに乗って帰れそう
にないと言うのです。
これは困りました。
シャモニーからは、バスで帰る他ありません。
まして、その日の夜には出発です。
そこでレストランの人に頼んで、小麦粉を
水で溶いて小さく丸めてもらい、
「これは、車酔いにとてもよく効くんですよ」
と言って、その場で飲んでいただきました。
ジュネーブに着いて、お客様に尋ねると
「あの薬、とても効きました。酔いません
でした。」とおっしゃってくれたのです。
これが『プラシーボ効果』です。
ただこのようなことをしたのは、これが
最初で最後でしたが・・・。
ただ、大切なことは、他人から与えられる
言葉、それを自らが受け入れなければなり
ません。
ここで不信感を持つと、効果はありません。
口癖というのは、自分自身が発する言葉。
これは自分が常に感じていることが、言葉と
なって出てくるのです。
「自分に良い言葉を言い聞かせると、
モチベーションや、パフォーマンスがあがる」
「その言葉通りの行動を取る」
現在、よく言われていることです。
ポジティブな言葉は、脳を活性化させ、
意欲や幸福度を高めます。
反対にネガティブな言葉を使うと、
自己否定や憂鬱な気分になり、脳や心の
活力を低下させるのです。
過度な批判や皮肉はストレスや孤立感を増し、
認知症を引き起こすと言われています。
東フィンランド大学の脳神経学者
“トルパネン博士” は論文で、
「高レベルな皮肉や不信感を持つ人々は、
認知症のリスクが高い」と発表しています。
皮肉や不信のレベルの高い人は、これらが
少ない人に比べて、認知症発症リスクが 3 倍
近く高いこともわかりました。
この口癖を直すには
それでは、この口癖を直すには
どうしたらいいのでしょう。
言葉を変えるだけです。
上記で書いたとおり、言葉には脳を
変える作用があります。
ポジティブな言葉で、上書きしてしまいましょう。
そうはいっても、「昔のほうがよかった」。
この考えが頭にある分には、簡単ではないでしょう。
そこで考えてみてください。
ほんとうに昔のほうがよかったのか?
今と比べてみましょう。
- 暖房
私の小さいときは、暖房というと、
こたつと石油ストーブしかありませんでした。
今はセントラルヒーティングもありますし、
コンセントを差し込めば、すぐに暖がとれます。 - 家電製品
私の子供のころは、テレビは白黒。
冷蔵庫は、今のように自動で氷を作ったり
温度を管理したりという機能はありませんでした。
洗濯機も最初の洗濯機は、ローラーに洗濯物
をはさんで脱水していました。
今は、スイッチひとつで洗いから脱水まで完了です。 - 治安
発生件数だけでいえば、今のほうがいいです。
昔は、殺人や誘拐が多かった。
今は街頭も明るく、コンビニもあり、街が
明るいです。
最初にコンビニができたときの宣伝、
覚えていらっしゃいますか。
「セブンイレブン、いい気分」
「開いててよかった」
これは 1976 年(昭和 51 年)に初めて
“セブンイレブン” ができたときのCMです。
当時、夜はお店は閉まっていました。
朝の 7 時から夜 11 時まで開いている、
“セブンイレブン” がコンビニの始まりです。
今 コンビニは、どこにでもありますし、
夜中でも買いに行かれます。
こう考えると、今のほうが便利ですよね。
「昔はよかった」という言葉の裏には、
今はダメだという言葉が含まれています。
もし、そうした意味でこの言葉を使ったわけ
ではないにしても、誰でもそう聞こえてしまうでしょう。
「昔はよかった。でも今のほうが便利」
このように考えを改めると、「昔はよかった」と
いう言葉は出なくなってくるのではないでしょうか。
認知症のリスクを減らすためにも、思考を変えて
ネガティブな口癖は避けるようにしましょう。
ポジティブな言葉「楽しい!」「素晴らしい!」
このような言葉を口癖にすれば、あなたの
幸福度はどんどん上がりますよ。
もしネガティブな言葉を口にしてしまったら、
「・・・と、以前は言っていたけれど、今は
違う。今は楽しい!」
このように取り消しちゃいましょう。
私達の脳は、あとに言った言葉のほうを
インプットしますから。
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