危ないところだった

1年前の出来事

歯医者に行って、歯石を取ってもらい、
気になっていた歯周病を検査してもらった。

この歯医者 は3 年前に通ったことがあり、
そこで歯周病初期と言われたことがある。


またその後、フランスでひどい目にあったから
気になっていた。

ちょうど 1 年前の朝。
いつものように朝食用に
ミックスジュースを作っていた。

定番のミックスジュースは、

・ バナナ

・ リンゴ

・ 牛乳

・ ヨーグルト

・ すりごま

これにパインやプラムなど
そのときにある果物を足している。

この時点では、いつものように1日が
過ぎていくと思っていた。

ところが・・・

お昼、ご飯をひとくち口に入れた途端
激痛が走った。
もう激痛という言葉意外、表現のしようが
ないくらい痛い。



痛みはすぐ治まったが、歯がおかしいようだ。
左下の歯を舌で触ると、それだけで激痛が走る。

こうなるともう何も食べられない。
とにかく痛いので、お腹がすいていたことも
忘れてしまった。
歯になにか触れると激痛が走るのだが、
触れなければ痛さは感じない。
外から見ても、顔は腫れていない。

しばらくすれば痛みがなくなるだろうと
その日は、ジュースだけにして
そのままにしていた。

翌日起きて歯を舌で触ってみる。
軽く押すだけで、やはり激痛が走る。
そのうえ、歯もぐらついている。

これでは何も食べることができない。
そこで緊急に電話をした。

その日は金曜日。
ちょうどフランスの連休に当たっていて
医者はどこも月曜日までお休み。

緊急に電話をするも・・・

インターネットで緊急で受け付けてくれる
歯医者を探した。

多くはなかったが、それほど遠くない
ところに1件、見つけた。

さっそく電話をする。
新規かと聞かれ、そうだと答えると
予約は6ヶ月後と言われた。

エッ、ここ緊急なのに?
この痛さでは6ヶ月など、絶対に待てない。

他にも電話をしたが、最低でも3ヶ月は待つ。
仕方なく月曜日、以前行った歯医者に
電話をすることにした。

フランスは現在、深刻な医者不足だ。
だから新規では、どの医者も中々予約がとれない。
緊急の場合は、病院に行くのだが、
病院に歯科はなかった。

抜歯はするけれど、そのあとの処置はしないからね

月曜日の朝、
歯医者があくのを待って、電話をした。
今はどの医者もアプリを通して予約を
入れるシステムを取っているのだが、
この医者は直に繋がった。

理由を話すと 2 日後に予約を入れてくれた。
この歯医者はあまりいい印象がない。
5 年前に保険が効かないレーザー治療を
勧められたことがある。

少し歯周病になっているので、今から
レーザーを使って治療をすれば
ひどくならないから・・・ということだった。

私は歯医者とは縁がない生活を送ってきた。
歯医者に行くのは、せいぜい歯石を取りに
行くぐらい。
だから歯のことはよくわからない。

歳を取れば、歯周病にかかるリスクがあることは
知っていたが。

でも 30 万円もするレーザー治療。
そのときは痛くもなかったから断った。

その記憶が蘇ってきた。
日本でも言われたし、もしかしたら
歯周病が酷くなったのか? と思った。

歯医者に行くと、まず歯の検診。
じつは電話をした3日前に歯石取りと検診に
この歯医者を訪れていた。

そのときにレントゲンを撮っていたし、
そのときは問題無しと言われていた。

「虫歯はないけれど、歯周病だから
抜いたほうがいいですね。
次回抜歯しましょう」と言われた。

つい最近来たのに・・・
そのときわからなかったのか?
と思いましたが・・・。


でももうそのときは常に痛くなっていたので
すぐにでも抜いて欲しかったのだが、
それはできないと言う。
1週間後に予約を取った。

抜歯したあと どうなるか聞いたら、
歯を抜くと 抜いたところに向かって
歯が傾くという。

だからインプラントか入れ歯が必要だと言う。
インプラントと入れ歯の違いを聞いたが
インプラントはけっこうお金がかかるらしい。

抜歯後の治療もやってくれるのか
聞いたところ、他の歯医者にいかなければ
ならないとのこと。
そこではできないらしい。

どこか紹介してくれるか聞いたら、知っている
歯医者はあるけれど遠いから、自分で
探すようにと言われた。

先に書いたように、フランスはどこも
医者不足。
紹介状がなく自分で探したら、予約を取るのに
3ヶ月はかかる。

絶望的だったが、その日はそれで帰った。

薬草の力

相変わらず歯は痛い。
何も食べることができないので、
飲むだけ。

そんなときに友達から電話がかかってきた。
庭にさくらんぼがたくさん生ったので
今から持って行くと言う。

そこで、今の状況を説明した。
この状態では、さくらんぼも食べることが
できない。

するとしばらくして、また電話がかかってきた。
ご主人が言うには、グリーンクレイを歯に当て
セージの葉を噛んで痛いところにずっと当てて
いればよくなるとのこと。

彼女のご主人はスイス人。
薬草や山に生えている食用になる草のことなど
よく知っている。

もう藁にもすがる思いで、言われたとおりに
試してみた。

使用するのは、内服OKのオーガニックのクレイです。

すると・・・
2日後には痛みが引いてきた。
これはすごい!

その翌日には、あれほどの激痛が徐々に
消えていった。
痛みはまだあったが、我慢できる。

それから毎日言われたとおりにしていた結果、
痛みは消えてしまった。

歯医者に予約を入れていた前日。
歯医者から電話がかかってきた。
「悪いけど明日は治療が出来なくなったので
他の日にしてくれませんか?」

歯医者からキャンセルの電話だ。
フランスはこういうことがたまにある。

歯はもう痛みも無くなっていたので、
治療はキャンセルした。
歯のぐらつきも少しだが、無くなってきた。

それから痛みが出ることはなく、今に
至っている。
歯のぐらつきはほとんど無くなった。

そんなことがあったので、昨日
その歯がどうなっているか聞いてみた。

3 年前より歯周病は多少進んではいるが、
問題ないとのこと。
私がフランスで言われたことを伝えると、
驚いていた。
抜歯は必要なく、このままなら将来も
必要無しと言われた。


でも・・・そこで気が付いた。
レントゲンを見ながら
説明してくれているのだけれど、医者が
指している歯は痛くなったあの歯ではない。

私が痛くなった歯は左下。
医者が指している歯は、右上。

そこで激痛の走った歯は左下だったと説明し
それがどうなっているか聞いた。
するとその歯は「健全な歯です」と言われた。

びっくり



「エッ、だったら1年前のあの痛さは
なんだったんだろう?」
と思い聞いてみたが、原因はわからなかった。

なにか固いものを噛んだとか、突発的な
ものだったらしい。

その歯は、歯周病にはなっていなかった。

これを聞いたとき、あのとき歯を抜かなくて
よかったと思った。
あのとき抜歯していたら、今頃どうなっていたのか?


じつはその後のエピソードもある。

医者が呆れた治療


さくらんぼを持ってきてくれた友人から、
電話がかかってきて、歯医者に行ったか
聞かれた。

クレイと薬草のおかげで治ったので
行かなかったと答えたら、
「よかった~」と一言。

なんでも友達がご主人と遊びに来たらしいが
顔の半分が腫れていたらしい。

どうしたのか尋ねたら、インプラントを
入れたらしいが、そのときに菌が入ったとのこと。

痛さも尋常ではなく、すぐに他の歯医者に
行ったら、すぐに手術となって2時間以上
かかったそうだ。

その手術をした歯医者が言うには、
インプラントを施した歯医者は
とても考えられない施術をしていたそうだ。



私が歯医者を探していると言ったのを
覚えていたので、同じ歯医者に行かないようにと
電話をしてくれたのだった。

その後、近所に住む友人にその話しを
したら、「あそこはやめたほうがいい」と
言われた。

やはりあの歯医者は評判がよくないらしい。
こちらの歯医者は、ほとんどアパートメントの
中に入っている。
ただあの歯医者は大きなクリニックを
構えている。

維持費だけでもそうとう稼がなけれは
ならないだろう。

私が予約キャンセルになったのも
違う大口の客が入ったからではないかと
言っていた。

アプリですぐに予約が取れなかった人が
この歯医者を見つけて来るらしい。
そこにレーザーの話をすれば、施術を依頼
する客がいるかもしれない。

あの医者に来るのは、他で予約を入れてもらえず
緊急で来る客が多いから。
確かに緊急外来に名前が載っていた。

これは憶測だが、案外当たっているかも
しれないと思った。

でもそのおかげで、私は抜歯しなくても
すんだのだから、今回は運がよかったのかも
しれない。

日本にもやぶ医者はいると思う。
実家の傍にも評判のよくない医者が
じっさいいるようだ。

ただ選択肢が多いのはいい。

友人、知り合いに聞けばいい医者がわかるし
行くことができる。
フランスの主治医の制度は考えものだ。

その前に医者不足を解消してほしい!






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