シニアに多いマイボーム腺機能不全
片目だけ涙が止まらない。
目がショボショボ、ゴロゴロする。
このようなこと、ありませんか?
私は風の強いときに、片目だけ涙が
出るんです。
歳を取ると、分泌される涙は少なくなり、
蒸発しやすくなっています。
涙の膜は外側から油層、ムチンを含む
涙液の 2 層で構成されていますが、加齢で
目の外側を覆う油層が薄くなり、涙が
蒸発しやすくなるのです。
涙が少ない上に蒸発しやすいのですから、
ドライアイになる可能性が高くなりますよね。
また最近スマートフォンなどの画面を見る
機会が増えたことで、高齢者のドライアイ
が増えています。
高齢者のドライアイの原因の 86 %は、
マイボーム腺機能不全です。
涙の油が不足することから発生し、
そのため眼の乾燥や不快感を
感じるのです。
またもうひとつの原因として、まつ毛
ダニが挙げられます。
マイボーム腺はまつ毛の生え際にあり
ますが、まつ毛ダニがそのマイボーム腺を
詰まらせてしまうと、涙の蒸発を防ぐ
油性物質を供給することができず、
目が乾燥してしまいます。
ドライアイかどうか調べる簡単な
テストがあります。
あなたは 10 秒間、まばたきをしないで、
目をあけていられますか?
もし 5 秒ぐらいでまばたきをして
しまったら、ドライアイの可能性が
あります。
またドライアイの初期症状として、この
ようなことが現れます。
・ 目が疲れやすい
・ 目が乾いたように感じる
・ 目がゴロゴロする
・ 目がかゆい
・ 理由もなく涙が出る
・ 光がまぶしく感じる
・ 目が重たく感じる
・ 目が赤くなりやすい
マイボーム腺機能不全に効く目薬の選び方
軽度でしたら、目薬をさすだけで、
目の違和感がそうとう軽減されます。
目薬の選び方ですが、ドライアイには、
・ コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
(角膜を潤しながら保護する成分)
・ ビタミンA
これらが配合されているものがおすすめです。
ただ注意点としては、
老眼の症状を進行させないため、
できるだけ目への刺激が少ないものを
選ぶことも重要です。
それには血管収縮剤、
・塩酸テトラヒドロゾリン
・塩酸ナファゾリン
・塩酸フェニレフリン
などが配合されていないものを選ぶのが
よいでしょう。
それには血管収縮剤が入っていない、
第3類医薬品から選ぶのがおすすめです。
そして防腐剤入りも避けたほうがいいです。
防腐剤は細菌の繁殖を防いでくれますが、
角膜が傷つく原因となることがあります。
とくに、ドライアイの方やコンタクトレンズ
着用時は、防腐剤が配合された目薬は避けた
方が無難です。
ドライアイの場合、涙の量が少ないと、
防腐剤が目の表面に長くとどまりやすくなり、
細菌だけでなく角膜の細胞を刺激して
傷つけてしまう可能性があります。
そこでおすすめの目薬を2つ
ご紹介いたします。
【ロートCキューブプレミアムフィット】
ポビドンという成分が入っています。
このポピドンは医療用医薬品にも含まれて
いて、高い保水機能があります。
コンタクトレンズの装着液としても使える
目薬で、コンタクトの上からもさせます。
第3類医薬品で血管収縮剤や、
防腐剤の塩化ベルコニウムも入っていません。
【Vロートドライアイプレミアム】
上記と同様、ポビドンと、オイル成分と
してゴマ油が入っています。
涙は 99 %の水と 1 %の油できています。
このわずかな油がないと、涙がどんどん
蒸発してしまい、ドライアイは改善しません。
実は日本人の 8 割は油が足りていない
ドライアイであることが分かっています。
海外では油のみを補う目薬が売られて
いますが、日本には油入りの目薬は
ほとんどありません。
こちらの目薬は有効成分として油が
入っています。
油成分が入っていない目薬をさして、中々
目の症状が改善しない方は、油不足の
ドライアイの可能性があります。
この目薬は、防腐剤の塩化
ベンザルコニウムや、血管収縮剤は
入っていません。
ただソフトコンタクトレンズの上からは
させません。
その他 自宅でできる治療法は、
温罨法(おんあんぽう)
小豆などを利用したホットパックを利用して
温めます。
温めたタオルでも良いのですが、濡れた
まぶたが乾く時にまた冷えてしまうので、
タオルをビニール袋に入れて濡らさない
ようにするとよいです。
こちらは温罨法用のアイマスクです。
眼瞼清拭(がんけんせいしき)
指のはらでまつ毛の根元周囲をやさしく
マッサージします。
専用のシャンプーを使うと、より
効果的です。
こちらはマイボームシャンプー。
【まつ毛ダニ・マイボーム腺の洗浄に】
嬉しいティートリー配合です。
ティートリーは抗菌・抗ウイルスに
優れたオイルです。
そのうえ、まつ毛ダニにも有効です。
目薬で改善しないドライアイは
もし目薬をさしても症状が軽減しなかったら、
眼科に行くことをおすすめします。
2012 年に発表された論文で、ドライアイの
原因の 86 %はマイボーム腺機能不全で
あることがわかりました。
それから、ドライアイの治療が大きく
変わっています。
・ アジスロマイシン点眼薬
これは処方箋が必要ですが、
MGD(マイボーム腺機能不全)の治療に
非常に効果があることが海外でも
数多く報告されています。
【参考文献:NIH】
・ ドライアイIPL光線療法
マイボーム腺の機能を回復させ、
正常な涙液が分泌されるようにより、
目の機能が正常に保たれます。
また繁殖したまつ毛ダニを
除去します。
ドライアイは放置すると、角膜や結膜に
損傷を与える可能性があります。
さらに、片頭痛、緊張型頭痛やめまい、
肩こりなどの身体の不調にも繋がります。
このため、早期発見と治療が非常に重要です。
ドライアイの症状がある場合、
「ドライアイくらいで」とあなどらず、
早めに眼科を受診しましょうね。