モロッコ・まったく違う世界を放浪してきました!⑨

砂漠ツアー・年齢大いに関係あり

タジンを食べながら、スーザンと話を
していたのですが・・・。

そこで、彼女から “あること” を
聞いたのです


スーザンが申し込んだ “砂漠ツアー” は、
他にも何人かいた
ようです。

ですからてっきり、その人達と一緒にラクダに
乗って、砂漠に出発すると思っていたよう
です。

ところが・・・、
いざ出発すると、彼女だけ他の人達と別行動
理由を聞くと、歳が違うからと。
他の人達は 20 代~30 代ぐらいだったようです。

彼女は「わたしは 71 歳だけど、体力には
自信はあるし、若い人でも軟弱な人もいるのに、
歳で区別するなんて」と憤慨していました。

確かに彼女は歳より若く見えるし、
バイタリティもあるようです。


わたしは彼女に、それまでに見つけた
いくつかの砂漠ツアーは、年齢制限
60 歳までと書かれていたことを話しました。

そのためいろいろ探し、今回わたしが申し
込んだこのツアが、年齢制限 99 歳まで
だったのでここに決めたと言ったのです。

ラクダに乗って歩くだけなのに、なんで
年齢制限 60 歳までなのかわからないと
言っていましたが、わたしも同感です。

確かに砂山を上ったときは、手を引いて
もらったり息切れはしましたが・・・。

砂漠の真ん中で、心臓麻痺でも起こされたら
困ると思っているのでしょうか。
でも、60 代はまだ若いと思うのですが・・・。


また、彼女はこのようにも言われたようです。
もし砂漠で 1 泊するのが不安な場合は、
早朝出発して、砂漠でサンライズを見る
ツアーもある
と。

でも、彼女は砂漠の夜を楽しみたかったので、
この 1 泊のツアーを選んだようです。


ツアー主催者側としたら、年寄りが
入って、他の人の足をひっぱることに
なったら困ると思うのでしょうか。

ですからそのような理由で、わたしも
ひとりツアーになったのかもしれません。

だってネットには、「砂漠で、他の人達と
合流して行きました」などと書いてありましたから。


「他に行く人がいなかった」と言われた
のは、「わたしと同じ年齢の人がいなかった
という意味だったのか」
とそのとき思いました。

砂漠では、60歳を過ぎると、年寄りに
入ってしまうのかと思うと、ちょっと
ショックでした。




このように話していると、「ショーが
始まるから」と声をかけられました。

食事が終わった後は、ベルベル音楽を
聞かせてくれるのです。
たき火を囲んで、タムタムを叩きながら
ベルベル音楽のショータイム。


でも、テーブルの上には、まだタジンも
フルーツも残っていました。
量が多く、全部食べ切れません。

スーザンは少食でしたし、わたしはまだ、
お腹が心配で、それほど食べれませんでした。

「せっかく作ってくれたのに、勿体ない」
と言うと、残ったものはキツネが食べる
いうのです。

“フェネック” というキツネで、日中は
巣穴にいることが多く、夜になると出て
くる
ようです。

残飯を置いておくと、それを食べにくるので、
ムダにはならないと言っていました。


シーズンになると、つかまえた “フェネック”
を車で通る観光客に見せ、子供達がお小遣い
稼ぎをしているようです。

宿に “フェネック” の写真がありましたが、
小型のキツネでした。

ぜひ見てみたいと思ったのですが、
人がいると警戒して出てこないので、
姿を見るのは難しいそうです。
野生ですからね。




砂漠で見た満天の星空

テントから出ると、さきほどとは違い、
薄ら寒い。
でも持ってきたパーカーを着るほどでも
なかったので、そのままたき火の前に。

たき火の前には 3 人の民族衣装を着た男性が
タムタムを叩いて、ベルベル音楽を演奏
していました。
このタムタムは、ラクダの皮などで作られた
太鼓
です。


シェフも他の男性と一緒に、タムタムを
叩いています。

ひととおり演奏が終わると、タムタムを
叩いてみないかと誘われました。

スーザンは、教えてもらいながら、
さっそく叩いています。

けっこう上手です。
さすが、ミュージシャン。


わたしはというと、
「こんなに音感なかった?」と思うほど。
うまく叩けません。

ゆっくり叩くにはいいのですが、
リズム感が悪いのか、早く叩くと
ズレてしまうのです。

教えてくれる彼に悪いので、しばらくして
タムタムは放棄しました。


他にお客がいないので、太鼓はやめて
お喋り。
スーザンはまだ、タムタムを叩いています。

わたしにタムタムを教えてくれた彼は、
“エッサウイラ” の出身でした。
“エッサウイラ” は港湾都市で、世界遺産にも
登録
されており、この後行くところです。


わたしがここに行くのは、“アルガンオイル”
買うためと “木登りヤギ”を見るためだと
説明すると、「木登りヤギを見るのは難しい
と言われました。

「木登りヤギは観光目的だから」と。
でも、このことは知っていました。

観光客が来る時間になると、ヤギを木に
登らせて、アルガンオイルの実を取らせるようです。

でも実際は、ヤギを木から降ろさないように
したり、枝の上に、さもヤギが立っている
ように工夫したりすることもあるようです。

またこれは、動物愛護協会から反対されて
いるとも、ネットに書かれていました。


その上、わたしがバスでその場所を通る
時間は、夕方の 6 時過ぎ。
観光客用にヤギを木に登らせるのは、
たいてい午前中
だそうです。

6 時過ぎだと、ほとんどムリとのこと。
じつは 2 年前にも見損ねたのですが、
今回も見込みはなさそうです。
仕方ないですね。


ふと空を見ると、無数の星が光り輝いて
います。
空いっぱい、無数の星で埋め尽くされて
いました。


このような満天の星空
今まで見たことがありません。

宇宙とつながっているんだな~」と
思いながら、星空を見ていると、

「仰向けになってみて」と言われ、
寝転ぶと・・・。
星空に吸い込まれそう
そのまましばらく、星空を見ていました。


彼に流れ星を見たことがあるか聞いたら、
砂漠ではよく見られるとのこと

「でも願いを唱えるのは難しい」と
言っていました。
アッと言う間ですからね。

そこで流れ星を待っていたのですが、
残念ながら、このときは見ることができ
ませんでした。

でもこの宇宙に続く星空を見ていると、
今までちっぽけなことで悩んでいた
んだな~」としみじみ感じました。



そこで、この素晴らしい星空を写真に
撮ろうと思ったのですが、やはりスマホでは
ムリですね。
撮った写真を見ると、真っ黒。
そこにいくつか小さな点が見えるだけ。
星空を撮るのはあきらめました。


しばらくして、就寝時間になりました。
特に時間は決まってはいないようですが、
翌日は日の出を見るため、6 時に出発です。

スーザンは、彼女のテントに入っていきました。


じつは、今回、モロッコに来た理由は、
砂漠から、満天の星空を見たかった
のです。

灯りがいっさいない、真っ暗な自然の中、
宇宙に続く空いっぱいの星空。


この星空を見たら、なんとなく自分が
変わるような気がして・・・。



そこで、テントの外で寝てもいいか聞くと、
それは問題ないが、寝袋がないから
寒いだろうとのこと。

そこでしばらく外で寝転んでいたのですが、
やはり寒くなってきたので、テントに入る
ことにしました。


すると「おやすみ」と声が聞こえ、誰かが
動く気配がしたのです。
たき火も消えて、外は真っ暗。
何も見えません。

でもこの声は、シェフの声でした。
わたしが外に寝転んでいたので、彼も
そこにいたのでしょう。

わたしがテントに入るのを確認して、
彼もテントに戻ったようです。



砂漠で見る幻想的なサンライズ

6 時 10 分前にタイマーをかけていましたが、
鳴る前に目が覚めました。

外に出ると、空が少し明るくなっています。
でも、まだ太陽は昇っていません。


テントから砂漠に出ると、昨日のラクダ
引きの男性が、小高い砂山の上に座っていました。

今日も、彼のようです。
これでチップが渡せると思いましたが、
「昨日の雰囲気だったら嫌だな~」とも
思いました。


テントに戻り周りを見ると、どのテントも
誰もいないようです。
男性 3 人の姿も、スーザンの姿も見えません。

外に出て、待っていた彼に、女性を見な
かったか聞いたところ、すでにラクダに
乗って出発したとのこと。

残念ながら、「さよなら」が言えません
でした。


彼は続けてわたしに、「早く出発しないと
朝日が昇るのが見られなくなる」と言うのです。

慌てて荷物を持って、彼のところに行きました。
自分なりにスカーフを巻いていたのですが、
彼がベルベル巻きに、あらためて巻きなおして
くれました。



彼の巻き方だと、さすがにずれません。
わたしの巻き方だとずれてくるので、
その度にスカーフを押し込んでいました。


ラクダに乗ります。
昨日のラクダと違うのか、乗るときに
噛もうとしませんでした。
ラクダの顔って、みな同じに見えます。


彼に引かれて、ラクダが歩き出しました。
ある程度歩くと、ラクダから降りるように
言われました。

そこからサンライズを見るために、小高い
山に登るのです。
昨日と同じく、裸足になって登っていきました。
ここもきつかったです。
ここで若い人達と違いがでるのでしょうか。

彼はふつうに話しかけてきたので、
昨日のような気まずい雰囲気はありませんでした。


砂山に登って、サンライズを待ちます。
他のグループも、他の砂山に登って、
朝日が昇るのを待っていました。


しばらくして、徐々に太陽が出てきました。
陽が昇るにつれて、砂漠の色が変わっていきます。
とても幻想的でした。




昇る太陽を入れて、写真をパチリ。



これらのポーズは、ラクダ引きの彼が
教えてくれました。
サンセットのときもそうでしたが、これらは
“砂漠ツアー定番のポーズ”のようです。

観光客に、このようなポーズをしてもらい
ラクダ引きの男性が写真を撮ってくれるのです。

参加人数が多いと、全員の写真を撮り終える
まで待っていなければならないので、ここは
ひとり参加でよかったようです。


写真を撮った後は、ラクダに乗り、
その後は宿に向かいます。

周りにいたグループも、宿を目指している
ので、皆、向かう方向は同じ。


砂漠を出てラクダを降り、ここでツアーは
終わり。
彼にチップを渡します。


ここであることを思いつきました。
彼にヒートテックのアンダーウェアを
プレゼントしようと思ったのです。

彼は冬も、ラクダを引いて砂漠に行きます。
冬の砂漠は、夜は氷点下になります

今回『ユニクロのアンダーウェア』を
持って来たのですが、それほど寒くなかった
ので、宿に置いてきていました。

このアンダーウェアは、男性用。
わたしには少し大きいのですが、
寒かったらシャツの上から羽織ろうと
持ってきていました。

彼にあげれば、帰りの荷物も減ります。
それにいらなければヒートテックだから、
現地の人に売ることも出来ます。
小瓶の砂より、小遣い稼ぎになるでしょう。

そこで彼に尋ねると、「ぜひ、もらいたい」
との返事。
宿まで来てもらい、渡しました。




金曜日はクスクスの日

クスクス

宿に帰り、フロントにて荷物をもらおうと
したら、名前を聞かれました。

「昨日、あんなに話したのに、わたしの
名前覚えていないの?」と思っていたら、
昨日はいなかった」とのこと。

「違う人だったか」と思い、名前を言うと、
部屋は用意してあるので、すぐに使えると
言われました。


そこは宿泊客だけが入ることができ、
昨日は見ることができなかったのですが、
中庭もあって、とてもいい雰囲気



部屋のドアです。

部屋は大きく、大きなベッドと他にもう
ひとつベッドがありました。

部屋のドアを開けると、中庭が見えます



すぐにシャワーを浴び、朝食まで部屋で
ひとやすみ。


朝食の時間になったので、フロントに行き、
「昨日フロントにいたハッサンに頼んで
おいたのですが、今日、何時に町まで
連れて行ってくれますか?
バスのチケットを買いに行くので」
というと・・・。

「昨日のハッサン?誰のこと?」
と言われ、「昨日 1 日ここに座っていた人」
と言うと、「ハッサンはわたしで、ずっと
ここにいる」と言うのです。

彼は不可解な顔をしています。
「それならさっきいた人は誰?」と、
なんだかキツネにつままれた感じ

わたしは人の顔を覚えるのが苦手です。
朝から頭を使いたくなかったので、
バスのチケット売り場まで行ってくれる
よう頼みました。

すると、バスのチケットは彼が買いに
行ってくれるとのことなので、バスの
時間だけ伝えておきました。


そして、昼食はどこで取るか聞かれました。
ここのレストランで食べると、昨日と同じ
ブロシェットということなので、外の
レストランを紹介されました。

モロッコ料理を提供しているようです。
そこで、お昼はそのレストランに行くことに
決め、プールサイドで休んでいました。


するとお昼ちょっと前になって、彼が
来て、「金曜日なのでレストランは
休みだった」と言う
のです。

イスラム教の国は、金曜日おやすみの
ところが多い
です。
他にレストランはないようです。

それなら、ここで食べるしかありません。
ブロシェットしかなければ仕方ありません
が、他の料理を作れるか聞いてみました。

「タジンなら」と言われましたが、
「クスクスが食べたい」と言うと、
調理場に聞いてみるとのこと。

“クスクス” が無理なら “タジン” という
ことで、了承
しました。


じつは、クスクス自体はそれほど手間が
かかる料理ではないのですが、”スムール”
を蒸すのに時間がかかると聞いたことがあります。
だから女性も作りたがらないのだとか・・・。


わたしはクスクスが大好きです。
クスクスは、モロッコを中心とした
北アフリカのマグレブ地域が発祥の地。

「スムール」と呼ばれる粒状の小麦粉から
作ります。
スムールは、小麦の一種であるデュラム小麦
の粗挽粉を蒸したもので、世界最小のパスタ。

モロッコでは、金曜日がクスクスの日
それならやはり、クスクスを食べたい。

クスクスは家庭料理で、各家庭によって
味が違います。
ですからこのモロッコでは、できるだけ
クスクスを味わうつもり。


お昼になり、プールサイドのテラスで昼食。
出てきたのは、“クスクス”でした。
「やった~!」

周りの人のお皿を見ると、”ブロシェット”。
特別に用意してくれたようです。

こちらは前菜のモロッコサラダ。

そして鶏肉のクスクス。
この下に、セムールが入っています。

デザートはメロンとスイカ。
とても甘くて美味しかったです。


昼食後は、プールでその日 1 日過ごしました。
この日は風が強く、宿から見ても砂漠では
砂が舞いあがっていました。

今日、砂漠に行ったら砂嵐で大変だったよ」
とハッサンから言われました。


昨日も時折、強い風が吹いていました。
そのときは、砂が勢いよく舞い上がり、
視界が悪くなるのです。

今日のような強い風だと、全身、砂まみれ
になるでしょう。

このようなときは、やはりターバンと
ジュラバ
が役に立ちます。


この日、ほぼ 1 日プールにいたので、
けっこう黒くなってしまいました。


夜になり、レストランには、観光客が
けっこう来ていました。
テラスはほぼ埋まっています。

この宿は屋上があり、そこにも
テーブルが置かれています。

屋上から見た中庭とプール


夜はそこから星空を見ようと思ったので
すが、相変わらず風が強く、また寒く
なってきたので、部屋に戻ってしまいました。


翌日の朝は、7 時 30 分出発のバスに
乗って、”ワルザザード” に
向かいます。

宿からバスの乗り場まで、車で送って
もらう約束です。
朝早いですが、朝食も用意してくれるとの
ことでした。

夜、この宿のオーナーに会い話をしました
が、以前日本でモロッコ料理のレストラン
をやっていた
そうです。

ただコロナのために閉めることになり、
モロッコに戻ってきたと言っていました。
彼は、とても流暢な日本語を話していました。



次回のブログでは、
『世界遺産の集落、アイト・ベン・ハッドゥ』
をご紹介したいと思います。

ここでは考え違いから、ちょっとした
“いさかい” が起こってしまいました。




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