ハンバーグが作りたいパティシエ
日本のハンバーグはこちらの人にも
人気がある。
私が作るハンバーグは、昔ながらの
ハンバーグ。
豚肉を混ぜるが、こちらの人にも
けっこう評判がいい。
その日本のハンバーグを作りたがって
いたパティシエがいた。
昨日の午前 9 時過ぎ、電話がなった。
出て見ると娘の彼から。
今スーパーの近くにいると言う。
昨日話して、朝 娘も含めて 3 人で
一緒に買い物に行く約束になっていた。
ただ娘はまだ寝ている。
今から起こすからというと、娘は
来なくてもいいと言う。
娘の好みは知っているから、わざわざ
起こすことはないと言うのだ。
なんて、思いやりのある彼だろう。
そこで娘は起こさずに、私と彼とで
買い物をすることにした。
スーパーで落ち合うと、ハンバーグを
作ると言う。
フランス風のハンバーグでも作るのかと
思ったら、日本風のハンバーグらしい。
「日本風のハンバーグは豚肉を入れるのよ」
と言ったら、知っていると言う。
私が言う日本風のハンバーグは、
豚肉入り。
ハングリータイガーの牛肉 100 %の
ハンバーグは好きだが、自分で作る
ときには、昔ながらのハンバーグ。
「よく知っているね」と言ったら、以前
我が家に来たときに、私が出したらしい。
美味しかったし、娘がこのハンバーグが
好きなので、作り方を調べたと言っていた。
「ヘーッ!」
ネットで調べたなら、私のハンバーグ
よりも美味しいかもしれない。
そこでハンバーグの材料を買うことにした。
ただ、問題発生。
牛肉は問題ないのだけれど、スーパーには
豚 100 %のひき肉が売っていない。
豚 100 %の挽肉は、肉屋に注文しないと
手に入らない。
それも遅くとも前日までに。
貴重な豚挽き
豚肉をミンチにすると、他の肉を
ミンチにする際には、機械を
洗わなければならない。
だから閉店前に豚肉をミンチにして
機械を洗うのだ。
スーパーでは、豚をミンチにしたのは
売ってはいるが、肉詰め用なので、
既に薬味が入っている。
でもこれしか選択肢がないので、この豚の
ミンチを買った。
パティシエになるには、料理人の資格も必要
夜になり、彼らが帰ってこないので、
ハンバーグの準備を始めた。
玉ねぎと人参をみじん切りにした
ところで、彼らが帰ってきた。
彼はまっすぐキッチンにやってきて、
「自分が作る」と言う。
でもすでに下ごしらえは終えているし、
彼に作ってもらうつもりはなかったので
断った。
彼は、自分で作りたかったらしい。
パティシエは料理も習うので、料理の
ディプロムは持っているという。
【ディプロム】
フランスの教育制度における学位や
資格を指す免状。
専門的な知識やスキルを身につけるための
教育プログラムを終了した者だけに与えられる。
どうりで買い物をしているときに、
「夜はハンバーグにする」と断言して
いたわけだ。
そのときは、「我が家の今夜の献立、
勝手に決めたの?
そんなにハンバーグが食べたかったの?」
と思っていた。
ところが違っていた。
自分で作って、娘に食べさせた
かったらしい。
そこで「ヘーッ」とまたまた
感心してしまった。
でも彼が私に言ったことは、娘には
聞こえなかったらしい。
娘が遠くから、一言。
「ママに任せて!ママが作る
ハンバーグが食べたいの。」と・・・。
これは困った!
あっちを立てれば、こっちが立たず。
娘がこのように言うなら、私も
娘に食べてもらいたいと思ったが、
でも彼の気持ちもわかる。
娘はまだ当分ここにいるし、彼に
この場は譲ることにした。
そうしたら、娘が彼を連れにきた。
彼は作りたかったらしいが、
しぶしぶ去っていった。
こんなに思われて、娘は幸せだ。
私の周りには、息子も含めて
料理が得意な男性は誰もいない。
そうしたら、また彼が来た。
何か手伝いたいらしい。
牛肉のパックを開けて、その上に
豚肉を乗せた。
そこで混ぜようとしたので、思わず
「スト~ップ!」と一言。
それだと豚肉の割合が多すぎる。
まして豚肉は香味野菜入り。
そこでまた娘登場。
彼を引っ張っていった。
なんか作る前に疲れそう。
でもそれからは彼も諦めたのか
キッチンには来なくなった。
ハンバーグとサラダを作り、ご飯と
一緒に食卓に・・・。
そのときに、彼に聞かせるつもりで
一言。
「今日のハンバーグはいつもと違うの。
スーパーの香味野菜入り豚挽きを
使ったから。
いつもは肉屋の豚 100 %の挽肉を
使うんだけど。」
このように言えば、彼もわかるだろう。
ご飯は彼のリクエスト。
日本風に食べたかったらしい。
食事が終わってしばらくすると、彼は
帰っていった。
仕事柄、翌朝は早いらしい。
今度彼が来た時には、彼にハンバーグを
作ってもらおう。
そのときはすべて彼に任せて、私は
いっさい手出しはしないつもり。
独創的なアイデアが美味しい料理に・・・
彼がネットで調べた方法で作る
ハンバーグ。
興味がある。
料理のディプロムも持っているし、
独創的なアイデアがあるかもしれない。
以前、息子が友達に巻き寿司の
作り方を教えたところ、
奇想天外な写真が送られてきたそう。
ナント、巻き寿司のご飯の代わりに
マカロニが入っていた。
私もその写真を見たが、これには
驚いた。
彼なりのアイデアだったのだろう。
日本のお米など、一般の家庭には
置いていないだろうし。
でも過去には、このような独創的な
アイデアから生まれたものもある。
例えば、カリフォルニア巻き。
今では、普通に見られるものだが、
海苔は巻いていない。
それに失敗作から有名になった料理も。
・ 豚骨スープ
福岡県久留米市のラーメン店で、
店主が母親に火の番を頼んで外出した
ところ、帰宅したときにはスープは
グツグツと煮えたぎって白濁して
しまっていた。
がっかりした店主が、試しに
ラーメンを作ってみると、今まで
食べたことのない濃厚な味にビックリ。
・ 肉じゃが
幕末から活躍したことで有名な薩摩藩士、
” 東郷平八郎 ” がビーフシチューが
食べたくて、軍部の料理人に頼んだ。
赤ワイン、デミグラスソース、バターが
手に入らず、困った料理人がしょうゆや
砂糖で作ったところ肉じゃがに。
どちらも今は有名ですね!
さて、彼のハンバーグは如何に・・・?
次回、彼が来るときには、
肉屋で豚挽きを買っておくつもり。
久しくハンバーグは作っていなかったが、
これでしばらくハンバーグを続けて
食べることになりそうだ。
冷凍庫の中には、ハンバーグのタネが
まだ入っている。
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